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1958年式
MG MGA1500
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イギリス製オープンスポーツカーの
黄金時代を創造した名車を、
躊躇なく楽しむ提案
第二次世界大戦後、MG-TC、TD、TFといった小型で軽量なスポーツカーに魅了されたのはイギリスに駐留したアメリカ軍兵士達です。大戦の影響で経済が疲弊していたイギリスは、戦禍に遭わなかった北米マーケットへの輸出を、戦後モデルを左ハンドルモデルも生産しやすい様に設計しする事で増やしてゆきます。中でも戦後大人気を誇ったのが、箱型のオープンカーMG-TFミジェットでしたが、その後継車としてBMCが1955年のフランクフルトモーターショーで発表したのがMGAです。
このMGAの登場は、箱型の古典的クラシックカーの「あの」形しか知らなかった当時の人々にとってまさに衝撃的な事だった事でしょう!MG-TFを最後に、北米市場で好まれるスタイリングに大変身したのがMGAだったのです。
面白い事にこのMGAのデザインは、レースカー製作の途中、空力を意識した結果偶発的に生まれた物で、1951年にMGのシド・エネバーが、ルマンドライバーのジョージ・フィリップスのT型MGカーを再設計して流線型にしたことが発端となっています。いざ流線形にはしたものの、シートの高さが高すぎるという問題が残り、シャシーをワイドなサイドメンバーに変更し、シートをそのボトムに装着して解決したのです。
発売当初の広告で“First of a new line”「新しい時代の始まり」と表現されたMGAは、古典的スタイルからモダンスタイルへ自動車史に名を残すセンセーショナルなデビューを果たしました。
最後の箱型車と呼ばれたTFまでとは一線を画す、流線型のスタイルとモダンな雰囲気は、全世界から熱狂的な歓迎を受け、1962年販売終了までに、合計101,081台が生産されましたが、実はイギリス国内に残ったのはわずか5869台、そのほとんどが北米を中心とする世界市場で販売されイギリス製オープンスポーツカーの黄金時代を作り上げたのです。
グッと渋い半世紀前の
クラシックロードスターをまるで
現代の国産ロードスターの如く、
クロスした5速ミッションを操り、
ワインディングを疾走出来れば
最高に楽しいだろう!
このMGA、特に初期の1500cc BMC Bタイプエンジンと4速トランスミッションの組み合わせはすでに生産から半世紀以上、英国ライトウエイト好きな筆者も数台乗った経験がありますが、よく整備された個体では、牧歌的でクラシカルな走りがとても魅力的です。しかしながら、ここはやはりクラシックカーの常、現代の日常ユースではいくら英国自動車文化の懐が広く「MOSS MOTORS」などでミッションのオーバーホールキットが簡単に手に入ったとしても、ワインディングからハイウエイまで「躊躇なく」踏んで回して楽しむ事は心情的、そして精神衛生的になかなか出来づらいのが、人間でいう所の還暦を超えたお年頃の車という事実だと思います。
しかしながら!この記事をここまで読んで頂いている御仁の中には、「グッと渋い半世紀前のクラシックロードスターをまるで現代の国産ロードスターの如く、クロスした5速ミッションを操り、ワインディングを疾走出来れば最高に楽しいだろう!」と 妄想(笑)されている方もきっと大勢おられる事でしょう。
旧車との生活は愛車を社会適合化する魔のキーワード「〇〇〇〇コンバート」と常に向き合い、オリジナルという名の理性と戦っているのだと思う事しばしば、しかしながら常に理性が勝利し、愛車はガレージに素晴らしいコンディションで保管され、いつもの移動は現代のハイブリッド車などという御仁も大勢おられる事だと思います。本日幸運にもご紹介できる1958‘MG MGA1500はエンジンオーバーホールに加えてトランスミッションを現代の国産ロードスター5速ミッションにコンバートされた車両で、まさに皆様の夢をかなえてくれる素晴らしい個体なのです!
オーナー様の心をグッと捉えた
ブリティッシュグリーンと
レッドインテリアの素敵なMGA
モダンアートから古典絵画まで幅広く収集され、まるで絵画の様に美しいクラシックカーをずらりガレージに配して観賞されるオーナー様、まるで車好きにとってのこの「桃源郷」ガレージはまさに「クラシックカーミュージアム」の様です!またこのオーナー様は、ガレージの合鍵からそれぞれの車のスペアキーを長年お付き合いのある主治医様に託し、不具合が起こる前に対応する事で大変〜素晴らしいコンディションを保たれておられます。その為、どのクラシックカーも素晴らしい状態で「愛でる楽しみ」を長年実践されておられる方なのです。
美しい流線形デザインのMGAはオーナー様の心をグッと捉え今まで数台所有されておられました。それぞれをこの桃源郷ガレージで愛でられ、時折イベントなどに参加され、半世紀前のMGAの長閑で牧歌的雰囲気を存分に楽しまれてこられましたが・・・・やはり「全く躊躇せず」MGAをドライブ出来たらどんなに素晴らしいだろう!という願望はフツフツと湧いてこられたのです!
そしてこのボディ塗装〜エンジン〜内装完全レストアが終了し、国産ロードスターの5速クロスレシオトランスミッションへコンバートされ見事に可動域が上がった1958年式MGAを入手されるのに至ったのです。
まず外廻りからじっくり見てみましょう!
まず目に付くのが緑にとても生えるブリティッシュグリーンのフレッシュなペイントとレッドインテリアの組み合わせです。クラシカルな雰囲気がとても良く雰囲気バッチリのコンビネーションでそれぞれリペイント・フィニッシュが行われ大変素晴らしい状態です。加えてフォルム全体の個性を決定つけているのがノックオン式ワイヤーホイール。この辺りは全てオリジナルに忠実な雰囲気ですので誰もスペシャルな要素が隠れているとは気がつかない事でしょう。スタイルが見事に変化するのもロードスターの素敵な所、アイボリーの幌、トノカバーもボデイやインテリアカラーと素晴らしくマッチして大変美しい車両です。
内側からワイヤーを引っ張りインテリアへ
張り替えらえたレッドレザーのシートとボディ同色にペイントされたメータパネルのコンビネーションにグッときます。味わいある雰囲気たっぷりのステアリング含めて全てオリジナル。コンクールデレガンス級の見事な仕上がりでこの個体の調子の良さを物語っています。
エンジンルーム
素晴らしい状態にレストアされ見た目も大変美しいエンジンルーム、シングルウエーバーがカウンターフローでスロットルをマネージメントするBMCタイプBエンジンが鎮座する様子は海外のMGコレクターブックに登場するレベルです。ベルハウジングまではここから見えますが、その先のコンバートされたトランスミッションは見えません、ここからのビューだけではおそらく誰もミッションコンバートとは気がつかない事でしょう。
動かしてみましょう!
クラシックカーには到底有り得ないスムーズなスターターモーターのサウンドでフルレストアされたBMC Bタイプエンジンはあっさりと始動します。通常のSUキャブでなくウエーバーならではの凄みのある吸気音がたまらず魅力的で走りを予感させます!半世紀経過した車です、メーターのぶれは有りながらも挙動が全く違う!ウエーバーの「ゴヴァア!ゴヴァア!」という吸気音に即反応し走りがダイナミックでシャープです!非常にスムーズなシフトと各ギアでのエンジン回転の制御、結果得られる速度域が別次元で存在するのです。「トランスミッションコンバージョン・・・まさに目から鱗」とはこの事!オーナー様曰く「高速道路で普通に巡航できるよ」と。ダブルクラッチ!ヒール・アンド・トゥで回転合わせてのコーナリング!それは私の知る半世紀前のMGAの物とは格段に違うまさに現代の走りそのものだったのです!
取材後記
トランスミッションコンバージョン・・・怒涛の走行体験を終えて・・・
こんなに素晴らしい状態に仕上がったMGAをなぜ手放されるのでしょう?
オーナー様は今回も笑いながら「生前整理だよ」とおっしゃいます。
今日「生前整理=片付け」と世間一般思われがちですが実は違います。生前整理本来の意味合いは「前向きな人生の為、人生集大成の為の心の整理」なのです。一番大切な「思い出」はしっかり胸に、そして存分に仕上がった素晴らしい「お車」は次の大切にされる方へお繋ぎしていく・・・そのような想いで出品依頼されるのです。
思い立ったら何時でも意のままに躊躇する事なく駆れる古典的ルックス抜群のMGA・・・ガレージの中で愛でて楽しみ、そして休日のワインディングロードで戯れ、そして思い立っての長距離旅行等と「MGA離れ」した楽しみ方ができるのが、すでにコンバージョン済み・セッティング済みのこの車両のなんといっても一番のメリットです!事実ここまで仕上げるにはかなりの時間と費用を要します。
味わいたっぷり半世紀前のMGAを駆っての移動は、何気ない自動車で移動する時間を「特別な至福の時間」へと大きく変化させてくれます。これはまた味わい深いエンスーライフとしみじみ感じた事を私の取材後書とさせて頂きます。
イギリス製オープンスポーツカーの黄金時代を創造したMGA1500を、躊躇なく楽しむ提案。オリジナル至上主義であれども大きく心が動く筆者でした。
▲この素晴らしい車両は現在、群馬県にあります。
オリジナルのトランスミッション、セルモーター、クラッチキットなどもちろん付属いたします。
個人のため諸費用等はかかりませんが、自動車税(月割り)とリサイクル料のご負担をお願いいたします。また陸送等は購入者様の方で手配をお願いいたします。
※掲載車両は個人所有の物でオーナーさんの依頼により取材を行ったものをFOR SALEとして掲載しています。
※記事内容は担当者が1時間程度の取材時間の中で、オーナーさんのコメントと、見聞したものを元に作成したものですので、現車の状態を100%正確に記載しているとは限らない場合があり、記事内容に関しても当サイトで裏づけを取ったものではありません。 状態等のコメントもあくまで取材時の状況及び取材担当者の主観によるものですので、月日が経過して写真や記事と異なる場合がある事をご承知おき下さい。
※掲載車両に関してのご質問や現車確認のお申込はこのページの一番下よりご連絡下さい。なお個人間での取引となりますので、冷やかし防止のため、現車確認はあくまで購入を前提として検討されている方のみとさせて頂きます。
※以上の記事内容は、オーナーさんのコメントをもとに作成したものです。整備履歴、修復歴などに関しては、当サイトで裏づけを取ったものではありません。